クラッシュ・バンディクー
ウォンバット的評価
【ストーリー】
第1作目だけに、ストーリーは単純明快。
悪者に捕らわれた恋人を助けに行く・・・という、まぁ正直どこにでもありそうなお話である。
だけど、その分かりやすさがクラッシュのいいところ。
『風のク○ノア』っていうゲームがあったけど、あれはキャラクターだけ見ると、
クラッシュに近いところがあると思う。主人公が獣キャラってとこが。
でもクロ○アのストーリーはかなりシリアスで、心の奥にジ〜ンと来る深いものがある。
それに対しクラッシュは、子供でも理解できる単純さ。
ク○ノアをプレイした後にクラッシュをプレイすると、クラッシュのバカバカしさ(良い意味で)にホッとする。
そういうストーリーの明るさも、自分がクラッシュ好きになった理由の1つと言える。
【キャラクター】
第1作目だけに、キャラの個性の強さは最強レベル。
とことんまでキャラの個性を強調してるとこは、さすがアメリカとしか言いようがない。
まずクラッシュは、主人公のくせにドジばっかりの脳ミソかっとび野郎。
ヒロインのタウナは、これでもかってほどお色気ムンムンのボヨヨンムッチ〜ンなお姉ちゃん。
そして、なんといっても悪役キャラ達の個性がまたスゴイのなんの。
強烈なヘアースタイルとちんちくりん体型の持ち主である大ボス・コルテックスを始め、
イカレたカンガルーやら、ムキムキのコアラやら、銃マニアの危ねぇイタチやらが脇を固める。
これほど分かりやすいキャラが揃った作品が、他にあるだろうか。
【音楽】
第1作目だけに、音楽にも1作目らしい初々しさが感じられる。(当たり前だ)
『2』や『3』の曲を聴いた後に、改めてこの『1』の曲を聴き直してみると、
あ〜これが原点なのだなぁ・・・と感心してしまう。
特にコルテックスのテーマは1→2→3とシリーズが進むごとに進化していってるのがよく分かる。
ちなみに『1』でのコルテックスのテーマは、ボス戦時ではなく、
コルテックスのボーナスチャレンジ(またはオープニングムービー)で聴ける。
あの「ベン〜♪ベンベン♪ベンベンベン♪」というおなじみのフレーズは、ここから生まれたのだ。
たまには効果音を消して、じっくりと音楽を楽しむのもいいかもしれない。
【システム】
クラッシュといえば、ワープルームから好きなステージを選び攻略していく・・・
というスタイルが定着しているが、そのシステムが搭載されたのは『クラッシュ2』から。
この『1』ではワープルーム等はまだ登場せず、マップ画面からステージに入り、
順番どおりにひたすら攻略していく・・・という、『スーパード○キーコング』的な進め方である。
セーブもステージ内でプレートを3枚集め、
さらにボーナスチャレンジ(簡単なものだが)をクリアしないとできない仕組みなので、
『2』や『3』を経験済みの人が『1』をプレイすると、少し不便に感じられるかもしれない。
また、ダイヤの入手条件も『2』『3』より厳しい。
なぜならC箱を壊しても、ミスをした時点でそれまでに壊した箱の数はリセットされるからである。
しかし、それだけにダイヤを取った時の喜びは大きい。
「白ダイヤの行き先は?」で、ダイヤの足場を最初から最後まで繋げられた時の感動は、
他の作品では味わう事ができないだろう。
【やり込み度】
第1作目とはいえ、遊び応えは十分な内容になっている。
楽しみ方としては、まずはとにかく最終ステージまでクリアする。
コルテックスを倒してエンディングを見たら、今度はダイヤ集めに挑戦・・・というのが通常の流れ。
この2周目のダイヤ集めこそが、このゲームの真の奥深さである。
『クラッシュ1』はシリーズ中でも難易度の高い作品として知られているので、
全ダイヤ獲得にはかなりの操作テクニックが要求されることになる。
特に隠しステージ「深い暗闇の中で」でのダイヤ獲得はシリーズ中、最高難易度と言ってもいい。
【声優】
出演は山口勝平さん、飯塚昭三さん、小形満さんの3人。
クラッシュ声優の豪華な顔ぶれは、このお3方から始まったのである!
たった3人とはいえ、手抜きなしの選りすぐりのキャスティングは、お見事。
今のクラッシュには、この頃のこだわりのキャスティングを見習ってほしい。
山口勝平さん演じるクラッシュが、とにかく生き生きしている。
ミスをすれば「ぐい〜ゆぅ」、ボスを倒せば「やった〜い!」、攻略に手間取れば「ふぅ〜…」、
ダイヤをゲットすれば「じゃじゃーん!」と、色んな場面で喋ってくれるのが嬉しい。
飯塚さん、小形さんはオープニングとボス戦時にしかセリフがないが、
少ないセリフ数でもあれだけ強烈な印象を残すのは、ベテラン声優の実力と言えよう。